代表西野のドリーム対談

対談一覧へ


(全4回:毎週更新) [Vol.1]  [Vol.2]  [Vol.3]  [Vol.4]

国連大学の調査機関によると、国民ひとりあたりの富は世界一という日本。 しかし、働かなくても生活できる……なんてことはありません。同時に若年層の無業者数も世界ではトップクラスなのです。 一部の富裕層を除けば、働かなければ生活はできません。
では、なぜ若者は働こうとしないのでしょうか? 「ドリームエントリー」を運営する(株)ビジャストの西野裕社長と 『のりかえ便利マップ』を発明した(株)ナビットのIT女社長・福井泰代さんが語り合いました。



■第1回 仕事するのも起業するのも楽じゃない
インタビューの写真

世界における個人資産の平均は、ひとりあたり2万6000ドル(約300万円。国連大学世界経済開発研究所調べ)。 その中でも、日本人は18万1000ドル(約2100万円)と世界一のおカネ持ちです。モノは国中に溢れ、都会では餓えることすら 難しいとされるほどの富裕国、ニッポン。がむしゃらに働かなくても食べていけるのです。 そのせいなのか、働く意欲の低い若者も増えています。


西野社長は考えました。社会が豊かになったために、仕事に生活費を稼ぐ以上のもの──自分らしさ──を求めすぎて、 若者は動けなくなってしまったのではないか──。
「でも、仕事に楽しさを求めてはいけない」
OL、主婦から一転して発明家、ついには年商5.5億円の起業家となったアイデアママこと、ナビットの福井泰代社長は答えます。 仕事とは、働くということは、どういうことなのでしょうか。

第1回目の今回は、起業前のおふたりの若き日を語り合っていただきました。


福井泰代
■福井泰代 プロフィール (株)ナビット代表取締役
ふくい・やすよ 神奈川県生まれ。成城大学卒業後、キャノン販売に入社。出産を機に退社し、 育児中にベビーカーを押しながら駅で迷った経験から '96年に『地下鉄のりかえ便利マップ』を考案。翌年、有限会社アイデアママを設立。'01年、 株式会社ナビットに社名変更。現在、電鉄各社が採用している『のりかえ便利マップ』を始めとする交通コンテンツやマンナビゲーション事業など、 交通と地域に特化した事業を幅広く展開。
■ふたりとも成り行きで起業

西野「ぼくはビジャストを作る前は、リストラされた人に再就職先を紹介する会社の雇われ社長をしていました。 その前はコックさん。一貫性ないですね(笑)。若いころの夢が叶わなかった人生だともいえます。 この会社を作ったのも、その社長職をリストラされてからです。皮肉な話ですが、リストラ支援会社の社長がリストラにあったんですよ(笑)」

福井「それは……大変でしたね」

西野「でも、とりあえず、食っていかないといけないから仕事をしようと。 リストラ支援会社の仕事で人に関わるビジネスが本当に好きになったので、雇用支援ビジネスをはじめようとビジャストを立ち上げました。 だから、本当に成り行きですね。キチンと起業のための資金を貯めて、事業計画を立てて、スタートしたわけではありませんでした。 福井社長も、キャリア志向で会社を立ち上げようと思っていたわけではない、と著書の中で語ってますよね」

福井「そうですね。私も成り行きで、という感じでした。最初は会社を立ち上げるつもりはなかったんです。 ただ趣味が発明で、その延長線上に会社という存在があったんです」


■最初はコピー機もなかった
インタビューの写真

西野「『趣味が発明』とおっしゃるように、福井社長はいろんなものを発明されていますね」

福井「私が発明生活をスタートさせたのは、ひも付きのおしゃぶりで特許を取得してからです。 これも下の子がくわえているおしゃぶりにゴムの輪をつけて耳にかけ、下に落ちないようにしたもので、 PTAの会場でほかのお母さんが見て『特許を取ったら』と言われたのがはじまりでした。 それがきっかけで発明が趣味になりました。ところが、私の4つ目の発明である『乗り換え便利マップ』を商品化するにあたって、 日本能率協会に個人とは取引できないから会社にしてほしいと言われた。そこで、急遽、1ヵ月くらいの急ごしらえで会社を作ったのです」

西野「起業するために、入念な準備をされたわけではないということですね」

福井「そう。だから、最初は自宅の二階が仕事場(笑)。資本金は私の貯金300万円と母から借りた300万円の計600万円。それで、アルバイトの女の子を雇ってスタートしたんです」

西野「ぼくもスタートは、湯島の老朽化したマンションからでした(笑)」

福井「おなじようなものですね(笑)。やはり、最初はみんなそうなんでしょうね。 私もおカネがないから、コピー機も買えなくて、コンビニエンスストアまでコピーをとりに行ってました。 雨が降るとコピーが濡れちゃうんですよ(笑)。だから、最初の目標はコピー機の購入でした。 それがいまでは2万5000人の地域特派員を抱えるコンテンツ制作会社に成長させることができました」


■対談を終えて

いわゆる「急成長IT会社社長」のイメージとは全く異なる、とても柔らかく、穏やかな方でした。
きっとそれは今をきちんと楽しんで生きていらっしゃるある種の「ゆとり」なのかもしれません。

(株)ビジャスト代表取締役・西野裕


西野裕

西野裕 プロフィール

にしのゆたか 1966年生まれ。 経営コンサルティング会社等を経て、米国最古のアウトプレースメント会社 チャレ ンジャーグレイクリスマス 日本法人前代表取締役社長。 主要株主との経営観の相 違によりIPO直前期まで成長したにもかかわらず、あっさり経営陣総退任。浪人生活へ。 2003年8月株式会社ビジャスト設立、代表取締役就任。3年来暖めていた雇用流動支援 ビジネスをあきらめずに立ち上げる事を決意。
多くの人々の支援と賛同を受け、設立2年で驚異的なスピード成長を遂げる。 自他共に認めるいったりきたりキャリアの実践者。転職歴4回。
好きな言葉は「大丈夫」。